涼を求めて谷・沢歩き
砥石山の名前の由来は、『続風土記』に「砥石あり、故に山の名とす」と記されているからとか。宝満山〜三郡山〜若杉山の縦走コースのほぼ中間に位置する山。沢沿いの涼しい山行きがしたくて内住峡から登ることとする。
(メンバー)
松九会登山クラブ:藤井哲夫、澤田眞次、宮脇彪、西川光明、原田和夫、加藤敏明
まいづる山岳会 :中村正義、石内美佐子、児玉かめ子、澤田律、岡田博美
(コースタイム)
=太宰府=米の山峠=JR九郎原=内住本村=9:30内住峡橋手前広場P(登山口)9:40…10:08上内住峡橋…10:22三郡山・砥石山分岐…12:05尾根(三群縦走路)…12:28前砥石山(昼食)13:00引き返す…13:12内住峡・小河内分岐左へ…杉林…14:25三郡山・砥石山分岐…14:30上内住峡橋…14:50内住峡登山口P=15:15JR九郎原=ショウケ越=
立秋を過ぎたがまだ暑い。この暑さに負けじと筑穂町の内住峡ルート(宝満山・三郡山系で随一の水量を誇る渓谷という)を詰めて砥石山をめざした。先日にいただいた情報では、昨今の大雨で相当荒れているし、ブルドーザー工事も入っていたが…と。
林道に入ると前方にクレーンなどの重機が見え、高圧送電線用の鉄塔建設工事がされていて、その横を抜けて進むと、車は行けるのか?と思うほどの悪路となるが、なんとかUターンできる駐車スペースを見て停める(内住峡橋手前)。沢登りはここが起点で橋の上部に小滝が流れを見せ、登山歩きは流れに沿った林道を(幅もあり荒れてはいないが大石が落ちて道半分をふさいでいる)伝って行く。荒れた林道が谷を越えて右手に延びているが、左を進み間もなく上内住峡橋の手前から左へ入り谷を少し登って林道下から右へ林道に上がる。左側の木に小さな木切れの標識が付けられていて杉林を歩き、谷と出合い幾度か渡渉しながら登る。判りにくい箇所もあるがリボンを探しながら進み、杉林の二俣の分岐標識「左・三郡山、右・砥石山」で右へ。だんだん急登となり岩や樹木、木の根を頼りに登り「水はここで終わり」の谷とも分かれ、尾根への直登!の急登となり、喘ぎながらの登りに水分補給を強いられる。
アカガシの自然林に入り、やがて緩やかな登りで縦走路に出た…ホッと一息!。縦走路を右へとり砥石山へと緩やかな稜線を進み、前砥石山に到着。お昼も過ぎているので、ここでランチタイムとする。山頂は日陰がなくそれぞれ適当な場所を見つけて座る。時折遠くで雷鳴、食事が終わった頃、ドーンガラガラッと近くにでも落ちたかと思わせるカミナリさま…。昨日も大雨と雷…今日の目的はあと15分ほど先の砥石山であったが、尾根筋で落雷に当たってはと、みな意を決して下山することにした。クワバラ・クワバラ(桑原)…間もなく雨となり、登ってきた谷の下りは、増水やスリップの危険性が強いので、三郡山寄りのルートを選ぶことにした。雨具を着け縦走路を登り返しながら昭和の森〜欅谷(つきだに)への分岐を過ぎ、左への開かれたルートを見て入りこむ。数分で左に[昭和の森/三郡山]、右下に小道があり[猫谷]の標識があるが、そのまま直進で下る。間もなく「内住峡」の標識があって左へ折れ、杉の植林地へ入り手入れされ、枯れ葉などのフカフカと足にやさしい道をぐんぐん下って、カヤの覆い茂った中を通り、朝通った杉林の二俣の分岐へ出て、やがて林道に合い登山口へ帰り着く。
以前から三群縦走をする度に[内住峡]という標識を目にしていたので、いつかはこのルートを登ってみたいと思っていたがやっと実現できた。だがガイドブックなどにも詳しい案内がなく、手探りの登山だったが変化もあって面白く、ゆっくり歩けばもっと楽しめるだろう。また、沢登り(沢遊び)をするには良い渓谷だが、人がほとんど入っていないのだろうか、荒れ気味なのが残念である。 (藤井哲夫 記)
【写真撮影:原田和夫】
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