山頂からは橘湾と有明海に挟まれた島原半島南部と天草が見渡せる
登山起点の宝原園地から桧林の緩やかな登りが続く。コース途中には高岩神社の鳥居が連立し、山頂からは雄大な眺望が楽しめる。山頂には「みそ五郎」という大男が岩をお手玉にしたと言う民話の大石が有る。
<メンバー>
松 九 会
登山クラブ:藤井哲夫、藤尾明、信岡雄蔵、澤田眞次、原田和夫、西田初夫、大宅道雄
福岡まいづる山岳会:一山 了、井上孝、石内美佐子、児玉かめ子、藤井和子、友清節子、澤田律、
(後藤久子、小野静子、徳永紀代、林幸子)
以上登山
柴田恭輔・明子夫妻(雲仙地獄周辺撮影)、(吉丸薫明・諫早在住参加)
<コースタイム>
博多駅(貸切バス)=太宰府I.C=諫早I.C=雲仙=11:37宝原(ほうばる)園地P11:50…12:22高岩山山頂(記念写真)…高岩神社(参拝・昼食)13:20…13:36塔の坂分岐(舗装林道)13:45…14:10遊歩道入口(宝原園地分岐)…14:20宝原園地P=15:10雲仙みかどホテル・忘年懇親会(泊)
恒例の忘年納山登山会を雲仙・島原で行った。小地獄温泉入口で写真撮影に行く柴田夫妻を降ろし、林道を上がって宝原園地(つつじ公園)の駐車場へ。曇り空だが高岩山の山頂にかけて尖った大岩がいくつか望見できる。ストレッチをなんとか済まし、公園の南へ歩き出す。すぐにヒノキ林となり、道は高岩神社への参道で登山道にもなっている。幅も広く階段状の緩やかな道が続き、「五穀豊穣・商売繁盛・家内安全…」などを祈願して奉納された、木製の鳥居がずらりと並んで建てられている。
間隔の広い階段を登りきって尾根に上がり、自然林の変わると大きな岩が目立ち、下から見えたのはこの岩かな?などと会話も弾む。しばらくすると左手に巨岩があった。「みそ五郎帆柱石」の標識。間もなく芝草の広場に「高岩山」の標識と三角点が立つ山頂に着いた。誰かが“三角点の説明”をしていると、Oさんが「三角点でも四角なの?…」に大笑いして、全員揃っての記念写真。さらに先へ進み鳥居をくぐると高岩神社の社殿(数人は入れる)が祀られていた。道の横に蛇口があり清めの手水をして(ここは高い山頂なのになぜか蛇口から水が出る?)、今年一年の無事な登山を感謝し、来年の安全登山を願って拝礼。
空模様はポツポツと崩れ気味だが、さほどのことはなく弁当を開く。ここが山頂の南端で好天であれば早崎海峡から天草の島々など雄大な展望が広がるところだが…。社殿の横にも“みそ五郎大人”の石像があり、途中にもいくつか「みそ五郎○○…」の石などがあったが(何者かと帰宅して調べると)この人物、高岩山に住む大男で、人が良くて力持ち、畑を耕し山を切り開き、誰からも好かれ、食べる物といえばとにかく、“味噌”が大好物で、百姓から味噌をもらっていた。…朝起きると雲仙岳に腰を下ろし、有明海で顔を洗い、高岩山の八間石に足を乗せて、天草の山々や有明海、八代の海を眺めて楽しんだ…そうな…云々。(西有家町の民話伝説)
下山は山頂方面に少し戻り、九州自然歩道標識から左へ、「塔の坂」方面に尾根を下っていく。紅葉の過ぎた落ち葉がカサカサと鳴る道にも巨岩が多く並び、“ロッキーヒル”と名付けられたことが頷ける。ぐんぐん下ってヒノキ林に変わり鳥居をくぐると車道(舗装林道)に出た。しばらく休み左に回ってみると、おっとびっくり!見上げる高岩山が一面の大岩壁となって迫っている。登り始めに見た山の姿と全く異なった山容に、しばし感激!見とれてしまった。晴れていればもっと壮観な景色だろう。
野イチゴを摘みながら車道の登り坂を歩き、標識の遊歩道を右に入り山道を登って宝原園地の出発点に帰り着いた。バスに乗って島原方面に下り、宿舎の雲仙みかどホテルに入る。時間も早く、大きな温泉・露天など岩風呂にゆっくり浸かり暖まった。夕刻、12月の例会を済ませて食事会場へ。バイキングの「食べ・飲み放題」でたらふく豪快に過ごした。
●翌日は観光と勉強。1990年11月に始まった平成噴火。1996年6月の終息宣言までに、雲仙普賢岳の火山活動で島原市と深江の町の多くの家屋が火砕流・土石流災害に遭った。まず、@高温の火山ガスにより被災し、コンクリートと鉄骨の外観だけを残した大野木場小学校跡。校庭の銀杏の大木は黒焦げに、焼け枯れたと思われた木が2年後に芽を吹き、その生命力に感動。隣の「砂防みらい館」を見学、スライド上映を見る。
A「土石流被災家屋保存公園」で、いくつもの家屋が土石流に埋まった実際に状態をみる。
B「がまだすドーム・雲仙災害記念館」では、平成大噴火シアターで土石流を再現し、体に感じる迫力の映像や、焼き尽くされた風景、火砕流の速度、大火砕流378秒の遺言(犠牲カメラマンの被災カメラ映像)などで実体験をし、雲仙災害の全容を勉強できた。
帰路の道すがらトイレ休憩で蒲鉾おみやげ店、「諫早湾干拓堤防道路」を走り中間地点で下車、吉丸さんの説明を聞く。昼食は鹿島太良町の「焼き牡蠣、帆立貝、はまぐり」を賞味。さらに酒造工場を見学し“どぶろく”など10数種類の酒を試飲、ほろ酔い気分で楽しい今年の忘年・納山登山会を閉幕した。
なお、柳瀬勝弘さん(福岡まいづる山岳会)から一杯にと祝儀をいただきました。ありがとうございました。
【参考】高岩山は雲仙山系の山としてミヤマキリシマ、ホウチャクソウ、ツクシショウジョウバカマ、キランソウ、ヤマツツジなど、ハイキングの気軽さで花を楽しめる山である。
※参加者が20名を超えると費用的にもバスがチャーターできる。車だと5台は必要だし、ガソリン・高速料、登山口駐車場の確保、ドライバーの負担などを考慮して検討したい。 (藤井哲夫 記)
【写真撮影
:原田和夫】
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