有明海、雲仙の展望よいハイカーの山
小岱山は熊本県の北西部有明海に面し、環境庁自然保護区に指定され、四季を問わず訪れる人が多い。山体は玉名市から荒尾市にかけて南北にのび、南から丸山、観音岳、筒ヶ岳のピークを連ねている。最高点は筒ガ岳である。
<メンバー>
松 九 会
登山クラブ:藤井哲夫、藤尾明、宮脇彪、信岡雄蔵、佐藤直之、澤田眞次、西儀務、原田和夫、加藤敏明
福岡まいづる山岳会:井上孝、石内美佐子、児玉かめ子、藤井和子、友清節子、澤田律
<コースタイム>
筑紫野I.C=菊水I.C=笹千里登山口P9:26…9:57丸山(391.9m)展望所…10:45観音岳(473m)…10:59唐渡岩…11:16観音岳…11:51小岱山(筒ヶ岳)山頂(昼食)…13:05荒尾展望所…13:17観音岳…13:50丸山キャンプ場…14:45蓮華院誕生寺奥の院(見学)…15:03笹千里三差路…笹千里Pまで500m舗装道の登りを歩く(運転手のみ)=玉名温泉・つかさの湯
玉名・荒尾市民のハイキングコースとして親しまれている小岱山 “良い山だから一度計画したら…”との声で、紅葉の季節を選んで登ることにした。小岱山という山名はないが筒ヶ岳を最高峰に観音岳、丸山と連座した山稜で有明海、雲仙、菊池川、金峰山、阿蘇山などが眺望でき、尾根歩きを楽しめる縦走路にはいくつもの入山コースがあり、四季を通じて思うがままに歩き回れ、下山後の玉名温泉での一風呂がこの山の魅力のようだ。
蛇ヶ谷公園前を過ぎ、林道を走って笹千里の広い駐車場に着く。宮脇トレーナーの指導によるストレッチで体をほぐし山道へ。起伏の少ない丸木段を登り下りして丸山展望所で一休みして、尾根を進み傾斜のある100段?の木段を乗り終え“ウサギ石”を見てしばらくで観音岳頂上へ着く。広々とした芝生の山頂のすぐ手前ではマユミの赤い実が迎えてくれた。
一息入れて左の急な木段の隘路を下り「唐渡岩」へ寄ってみる。標識には下り200mとあったがなかなか着かない…途中祠があり、さらに下って大きな岩塊の絶壁の上に突き出るようにして屹立している唐渡岩に着く。眼下には蓮華院誕生寺の大きな五重塔、岩の右に三井グリーンランドが見える。岩の上でカメラに収まり、観音岳に登り返して“昼食を”と“筒ヶ岳へ”の2つの声が出たが“昼食は筒ヶ岳山頂で”と歩みを進める。明るい稜線を辿り「七峰台」(小岱山一の見晴らし)を経て、巨石(標識に:鎌倉時代山頂に城があり、落城のおりこの下の井戸に金銀財宝を埋めた)の言い伝えを読んで筒ヶ岳山頂へ着く。
山頂には多くの登山者がくつろいでいる。晩秋の暖かい日ざしを受けて仲間に入れてもらい有明海、荒尾、大牟田方面を眼下にランチタイム…。地元から登ってきたグループの女性から“あのこんもりした山が四つ山炭坑跡、あそこが三池山…あれが○○…”とガイドが続く。
下りのルートはいくつもあり、地元に人が途中まで先導してくれ、登りの尾根道と違った風景のバラエティに富んだコースを楽しみながら歩く。当初計画の下山予定コースは、地元の人の“府本車道〜蓮華院への道は長い林道歩きを強いられ、とてもお勧めできない”とのアドバイスに、お礼を言って途中の分岐で別れる。左に登り返すと荒尾展望所(屋根・ベンチつき)に出て、再び稜線伝いに往路の七峰台、観音岳へ戻り山頂右下の観音岳コースへ入り、丸山キャンプ場へと下って、舗装路を蓮華院誕生寺奥の院へと歩く。誕生寺の境内には高さ4.55m・重さ37.5d(37,500`)という世界最大の梵鐘(大釣鐘)「飛龍の鐘」と見上げるほどの五重塔や、大きな石仏などがあり拝観・参拝。
さて、ここから笹千里の山腹の登山口駐車場までは約3kmの道…まだまだ歩かなければならない!。運転手だけタクシーで行ったら…のありがたい?声もあったが、何しろ今日は車も登ってこない山の中、みんなで歩くしかない…。舗装林道に落ちたたくさんのドングリを踏み、蹴飛ばしながら…笹千里三差路に出ると駐車場まであと500mの標識。皆さんの休憩タイムに運転手の3人、舗装道の登りを駐車場まで歩く(このあとの200mほどはきつかった)。
仕上げは「玉名温泉・つかさの湯」、開湯5周年記念とかで入湯者が次々に…露天などいくつかの湯に浸かり、晩秋の玉名路を後にした。 (藤井哲夫 記)
【写真撮影
:原田和夫】
|