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虚空蔵山《長崎・川棚》 2011年9月24日(土)    


(メンバー)佐藤直之、藤井哲夫、加藤敏明、峰 藤明、林 幸子、小金丸和夫、宮脇 彪、
      浜地和夫、澤田眞次・律夫妻、大宅道雄、風間廣雄、(石内美佐子、友清節子、
      井上 孝、藤 俊正・夫妻 ) (参加17名)

(コースタイム) …木場郷登山口10:44…11:02冒険・家族コース分岐…11:27寺屋敷跡…12:08虚空蔵山山頂 (昼食)12:53…13:21冒険・家族コース分岐…13:40登山口バス=

 台風15号は紀州・東海地域に大きな水禍をもたらしたが、通過・消滅後は爽やかな秋の気候になり、絶好の登山日和となった。
 虚空蔵山には、10年ほど前に嬉野・不動山(東側)方面から登ったが、今回はルートを変えて木場郷(西側)から取り付くことにした。バスは高速武雄JCTから西九州道の波佐見有田ICで降りて南下し、川棚町へ入り木場郷の登山口へと向かうと前方に鋭く尖った岩峰が聳え立って見える。これが“長崎の!、九州の!マッターホルン”と謂われる山である。周囲は秋の実りを迎えた稲穂の棚田が連なり、赤い彼岸花も彩りを添えている。集落途中の“虚空蔵の水(名水湧出)小屋”を少し過ぎたところで、柿の木の枝が3本ほど横に覆って広がりバスの屋根に当たりそう。枝を折ることも出来ず、無理に進めばガリガリと傷がつく、というよりも、まず通れない!。諦めて下車。随分上がっては来たので多分登山口(駐車場)はもうすぐだろうと歩き出す。少し歩いたところで茶畑の手入れをしていた、頬かぶりのおばちゃんに“登山口・駐車場まではどのくらい先ですか、頂上までは何時間かかりますか?”と誰かが聞いたが、おばちゃんは“登山口はすぐそこよ、頂上もそげんかからん”というような返事?どこでもそうだが山手や田舎(失礼)の人たちの距離感覚は、概してこんなもんだろう。

 暫く舗装道路の坂道を登り詰めると、左手にログハウス風の立派なトイレがあり、その先にアスファルト舗装の広い林道が左右に延び、駐車場がある。“エーッ?この道どこから来とうと?”

 登山路に入ると、昔からの修験者道らしく岩石がごろごろと敷かれた道で、足首にハードな負担を掛けないよう気を配りながら登る。秋の気配や紅葉にはまだ早いが、足元には茗荷の花がいくつか開いている。間もなく「冒険・家族コース」の分岐標識に着き、躊躇うことなく「冒険コース」への道へ入る。登路は段々厳しくなって鉄の梯子を登り、頭上にはみ出した大岩と大岩の隙間を潜るように抜け、鉄の梯子を登ると道標がある。道標に沿って左へ岩と岩の間の落ち葉が積もった、急な坂を滑らないよう、転ばないよう下りながら進む。

 すぐに杉林の登りとなって尾根を巻くトラバース。やがて「寺屋敷跡」の案内標識があり、ここから岩の多い尾根の登りとなる。登路はさらに厳しくなって、垂直に近いヤセ尾根の岩場を大きな鉄の鎖や、むき出しの木の根を頼りに攀じ登る。冒険コースだけあって、面白く楽しいルートではあるが、足元には注意し慎重に鎖場を登り越し、ヤセ尾根の稜線を辿って、古い石段を登ると開けた台地の奥の山頂に出た。

 東西に細長い山頂の中央部に愛宕大神・虚空蔵菩薩の石祠が二つ祀られ、まずは登頂の参拝。ここには一等三角点があり、その先には方位盤があり、秋晴れの山頂からは展望が素晴らしく、北に黒髪山、その左に国見山、右手にどっしりと天山。南東に多良岳、南に高見山と女岳。大村湾も大きく広がり美しく輝いて見える。

 ひとしきり展望を楽しんだ後、それぞれに弁当を広げる。と、そこに男性4人が登ってきた。なんだか見たような顔?…松九会メンバーの金崎、加来、金子さんと、現役の前田さんである。“やあやあ…と懐かしい!”奇しくも山頂は松九会デ―となった。

 下山は家族連れコースへ、まず最初の分岐を「嬉野温泉へ」の道標を右へ急に下る。次の分岐の「犬の墓」「岩屋へ」の道へは入らず直進。さらに急な下りのロープの岩場を抜け植林帯に入り、「右・嬉野町、左・木場」の標識に着く。右の嬉野方面は以前登った長野登山口からのコースであるが、左へ進み下ってゆくと冒険・家族コースの分岐に出て、間もなくで登山口の舗装林道に着き、バスが待つ“柿の木坂”へ下る。

 バスは波佐見の町へ戻り、沿線近くのはさみ温泉“?湯治楼(ユウジロウ)”の湯に浸る。
この?は泉質が素晴らしく“とろん”とした、肌に柔らかく“つるつる”の湯で、炭酸水素塩泉/高濃度炭酸泉で、「心臓の湯」ともいわれ、ぬるめの湯にゆっくり浸かって効果があるという。ひと汗流しすっきりしたところで次の目的地「鬼木の棚田」へ…。
 この地方には有田、伊万里、三川内、波佐見などの陶磁器の名産地があるが、波佐見には日本棚田百選の“鬼木の棚田”があり、例年9月に開催される棚田祭りには、地域の人たちが世相を映し意匠を凝らしたユニークで、ユーモラスな風刺の効いた案山子を100体以上も棚田に立てる。しばらく歩いて見物するが、今をときめく《ドジョウ宰相野田佳彦首相はスーツ姿でドジョウ掬いを演技!説明板には[“どじょう”すくってないで日本を救ってよ!]など、なかなかの力作ぞろいで感嘆する。(開催は9月23日で、10月初旬までは見学できそう)

 案山子のあとは同地区の古い造り酒蔵・今里酒造に寄り、日本「六十余州」銘酒の試飲をさせて頂き、余韻を楽しみながら帰途についた。 藤井哲夫 記

【写真撮影:加藤敏明-K】

:澤田眞次-S】

:藤井哲夫-F】

10:16   柿ノ木の枝でバスが進めず、ここでストップ-K 10:23   仕方なくここで登山準備-K
10:32   登山口に向う-K 10:36   暫く舗装道路を歩く-K
10:44   上木場登山口到着-K 10:46   登山開始-K
11:01   暫く緩やかな林道を登る-K 11:02   新道・旧道分岐に到着、新道を行く-K
11:10   次第に崖が多くなる-K 11:15   崖の間を登る-K
11:17   今度は下りだ-K 11:18   頂上へ行くのに「下へ」の案内-K
11:19   今度はまた上がる-K 11:27   寺屋敷跡を通過-K
11:45   岩場登りが続く-K 11:46   鎖場を通る-K
11:50   岩場はますます厳しくなる-K 11:27   鎖から木を守る「いたわりのハンカチ」-K
12:04   もう直ぐ頂上-K 12:08 虚空蔵山頂上に到着。まず虚空蔵菩薩に参拝-K
12:13   頂上で全員の記念写真-K
12:18   頂上からのパノラマ展望-K
12:25   頂上で昼食をとる-K 12:31   九松OBのチームと会う。ビックリ-K
12:53   下山開始-K 12:55   旧道を下る-K
12:56   最初は足場は良い-K 12:59   岩屋分岐を通過-K
13:05   また崖を下る-K 13:11   岩室のところを左に-K
13:21   新道・旧道分岐に戻る-K 13:39   上木場登山口が見えてきた-K
13:40   上木場登山口に帰着-K 13:42   また舗装道路をバスまで歩く-K
13:50   待っているバスに到着-K 15:16   はさみの湯で汗を流す-S
棚田とヒガンバナ-S 15:42   鬼木の棚田の案山子祭りを見学-K
ユニークな案山子が大勢いました-S 戦場カメラマン-F
野田総理-F 澤選手-F
中国の新幹線-F ヒガンバナにはタイミングのいい時季でした-S
最後に酒蔵にも寄りました-S しっかり試飲のお代わりもしてきました-S

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