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基山(キザン・キヤマ 404.5) 〈佐賀・基山〉  2013年11月16日(土)
(基肄(キイ)城の史跡巡り登山と、瀧光徳寺〜大興善寺の華麗な紅葉を観賞)

(メンバー)信岡、澤田S、澤田R゜藤井、林゜、藤岡゜(牧野、小野、野田、佐座゜)
 
  近場の登山なので各自JR最寄りの駅から乗車して「けやき台駅」に集合。整然とした「けやき台団地」の街並みを通り、西側へ鳥栖筑紫野道路(カササギロード)へと向かったが、地図にある架橋道路が鉄網で閉鎖され通行できない!。いつから閉鎖されたのかは分からないが、どこにも「閉鎖」とか「通行止め」などの標識もなく、往復20分以上のロスタイムを費やし、史跡コースの入口「水門跡」へ着く。ここからは山路となり史跡巡りコースを辿る。案内に従って進むとやがて「丸尾礎石群」に出る。杉の木が立つ地面に大きな石の礎石が並び、千三百年も経た今も、いにしえの遺構が点在している。さらに登って行くと44個の礎石が並ぶ、基肄城跡最大規模の「大礎石群」に出て山頂を目指す。

  植林が途切れ明るい空が開けた、笹原の切り分けを踏みながら間もなく、稜線に並行し4つの窪みが掘られて、その間に蒲鉾状の3つの隆起が並んでいる“いものがんぎ”と呼ばれる、薯畑の畝に似た起伏のある道を登り下って山頂へ。草原状の山頂には大きな岩屋があり、神様か仏様か?祠の中に煌びやかな衣装を纏った刻像が鎮座され、その前に数人の男女大人子供が座し、祝詞かお経が唱えられていた。その左横には菊の御紋を配した「天智天皇欽仰之碑」が建立されていた。11時少し過ぎちょっと早めの昼食にしてくつろぎ、草スキー場を下る。

  思えば昭和33年、まだ雪のない12月中旬頃、所属山岳会のスキー練習合宿(鳥取大山スキー合宿のための、山頂テント泊)で、岳友の八尋さんと、勤務を終えた夜に国鉄基山駅からスキーを担ぎ、真っ暗な中を基山への登山道を歩き、途中で疲れて野宿(田んぼの稲の刈り取りの藁の中に潜って寝た)。朝の太陽の光で起きて山頂へ。この草スキー場で枯れ草の感触を確かめながら、雪のスキー滑降ははどんなだろうと考えながら、何度も滑って練習した。おかげで大山スキーの本格的な雪の上に立てて、楽しく滑れた。
その後も近郊の雷山、脊振山、基山など昭和34年代から数年続いて雪が降るたびにスキー企画をし、多くの人と楽しんだ。

  下って行く草スキー場は、上部は可なりの傾斜があり、子供たちは3分の一くらい下の緩斜面で貸しスキーでの滑降を楽しんでいた。
貸しスキー小屋の左奥に瀧光徳寺・大興善寺(きのくに古道)の標識があり(基山の“きのくに山歩会”メンバーの手による開拓)、そこを辿って下るが結構荒れた谷道でバサバサと落ち葉を踏みながら瀧光徳寺へ着く。このお寺は中山正語正宗の大本山で20 万余坪の境内を有し、西日本最大の戦後の木造建造物と称され、16間四面の大本堂、九州で最初に建立された五重宝塔をはじめ40 余の大堂伽藍、お滝場などの行場を有する一大霊場で、基山の山中にこれほどの大規模の寺院があるのは驚きである。

 見学参拝を終え石段を下り、当院送迎のバス停で明後日から筑波山方面に登山の澤田夫妻と林さんと分れて、茶店のおばちゃんから“梅ヶ枝餅”を薦められたが誰も買わず、これから行く「大興善寺」への道を尋ねると「この道を伝って下るといい…」との言葉に、舗装道をずんずん下る。随分下ったら左前方に「鳥栖筑紫野道路・カササギロード」が見えた。〈えっ?何で!〉と思ったが、全く反対方向の宮浦インターあたりに下って来てしまっていた。…“あのおばちゃん、梅ヶ枝餅を買わんかったけん、本当の道を教えてくれんかったっちゃないと!?”…で、地元の人に道を聞こうと思ったが人通りもない。車が来たので停めて聞いたが“私は福岡からで、解らない”との返事。暫くうろうろしていたところに、野菜収穫のおばあさんが来た。尋ねると“あの山の向こうで、こっちの道を通ってまあ1時間くらい”だと。

  山裾を迂回して歩くと大きな工業団地へ出た。電気工事中の人に尋ね何とか方向はわかったが、道は山路へ続きまたも引き返し田んぼや畑の道を伝う。すると藤岡さんが“この道、JRのウオーキングで以前通ったことがある!”という。ほっと安心しながら地図を見直すと、電気の高圧線の下を通れば目的の大興善寺だと分かった。やっとの思いで到着したが、まっすぐに伸びた長い急な階段を登る気にもなれず迂回路を歩く。山門に着いたがお目当ての紅葉は赤みが少なく、黄色や緑が殆ど?苦労して来たけれどまだ1週間か10日は早かったようで、500円の入場料を払うのもやめて退散。臨時の送迎バスでJR基山駅へ、ここで解散して温泉組はひと駅先のけやき台からまたもや歩いて、大きな温泉施設の「アマンディ」で疲れを取って帰る。          (文 藤井哲夫)

【写真撮影:澤田眞次】

スタートはけやき台駅です

住宅地のモミジも紅葉している

しばらくは舗装道を行く

ここから登山道に入ります

しばらくは杉林の中を行く

何か所か礎石群が有ります

礎石群の中を行く

登りが続きます

最後の登りです

頂上広場に着きました

ここは一等三角点です

頂上広場を散策する

野菊が… 展望しながらの昼食
記念撮影
「いもがんぎ」と言われている土山 いよいよ下山です
スキー場を下る 「きのくに古(歩)道」を下る
落葉を踏みしめて 瀧光徳寺の紅葉
瀧光徳寺の五重塔

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