参加者 : 澤田眞次、澤田律、(石内美佐子、児玉かめ子)、他男性7名、女性2名
一昨年カンボジアへも一緒に旅した福岡の山グループと宮崎の山グループ13名で、カムチャッカへ行こうということで、12日成田よりの直行便でカムチャッカへ入った。21時パラトゥンカ温泉郷のホテルに着、初めてのロシアの食事を心配したが、ジャガイモ、肉などが主体で食べやすく、おいしく食べることが出来た。食事後は温泉(プール)へ、長湯はよくないとのことで15分くらいで上がってきた。
2日目は、いよいよ登山口のキャンプ地への移動である。6輪駆動車で雪渓を走ったり、唐沢を走ったり、車道もいたる所で轍が深くなりすぎて走れなくなっているため、迂回路が出来ており大変なドライブになった。中でも雪穴に落ち込み大きく傾いた時は、脱出できないのでは・・・、と思ったりもしたが何とか予定時間にキャンプ地(ロッジ)に着いた。午後は足慣らしに、近くの「らくだ山」へ3時間のハイキング、登りは雪渓を登り大きく右から裏側に回って鞍部に登った。写真を撮って展望を楽しみたい所だが、霧で遠くは見えなくて残念だ。下山は左の尾根から下った。途中で花の写真も撮りながら、適度な足慣らしが出来た。
3日目、いよいよアバチャ山登山の日だ、7時36分12名で出発、しばらくはなだらかな登りで、花を楽しみながら登れるが、「写真は明日のハイキングの時にしろ」と注意を受ける。今日1日の登りの厳しさを思わされた。2,000m迄は高原歩きのようで歩きやすいが1日で標高差約2,000mを往復するのは初めての経験である。1,800m位で2名が下山を決意するが、下山道は2,000m地点なので、そこまでは2人は頑張って登った。2,011mに小さなピークがあり、ここで昼食をとる。ランチボックスにはサンドイッチ2つとりんご、菓子、ジュースパックなどが入っていたが、りんごとサンドイッチ1つを食べる。
ここからは雪渓を渡って2,100m付近からいよいよガラ場の登りになる。食事後はペースがよくなりガイドは、この登りの標準「2時間で登れると」言ってくれ、元気が出るが、最後の方は一歩踏み出しても、ガラガラと滑って10cm位しか高度を稼げない。それでもコツコツ歩んで頂上を踏むことが出来た。周囲は硫黄ガスの関係か黒いものが緑色に輝いて見える。霧と煙で遠くは見えないが霧の間から時々真っ黒な溶岩ドームが見えて気味悪くさえ感じた。2度目の食事、記念写真、お鉢散策をして1時間余り頂上で楽しんだ。
下りは、ガラ場を滑るように下る、一歩で二歩分進むので早いのだが、バランスが難しく、ずい分疲れる下りだった。2,011mまで1時間15分で下りることが出来た。小休止後登りとは別の道を下るが、ここもガラ場でどんどん下ることが出来た。ガラ場が終る頃、見事な黄色い花畑が現れた、チシマヒナゲシの群生である。登りの苦しみも吹っ飛んで、記念写真で賑わった。
この日は12時間半の行動時間で20時にキャンプに着いた。今回のメインの山が終わり、ビールで乾杯、楽しい夕食だった。
4日目、今日はゆっくり起きて10時からフラワーハイキング出発、キャンプ地から近くの丘辺りを歩きながら、花の解説を受け写真を撮ったり、景色を眺めたり、日本で見かける花もここでは少しづつ違っていて、青いウルップソウやカラフトマンテマ、初めて見たものは、インディアンペイントブラッシュ、ミネゾウ、等など。
14時前に帰って食事後は自由時間だが、霧がよく出るため、キャンプ地から離れるのは危険なので、人に懐いているジリスと遊んだりして過ごしたが、夕方になってやっとアバチャ山が全容を見せてくれた。残念ながらその向かいにあるコリャーク山(3,456m)は、富士山のような美しい姿を見せることはなかった。
5日目、バチェカズエッツ山(1,556m)山麓のキャンプ地へ移動の日である。6輪駆動車に乗り込み、3時間かかってキャンプサイトに到着、今日からはテントに二泊である。2人づつテントに別れ、マットを敷き、シュラフの準備をする。ここは蚊が多くネットをかぶり蚊取り線香でテント内の蚊を退治しなければならない。
15時前にキャンプサイトを出て3時間のフラワーハイキングに出た。キャンプ地自体もお花畑で、花を踏みつけての行動だ。キャンプ地にもエゾノキンバイソウ、ハクサンチドリ、クロユリなどが多くあったが、ハイキングでもオオバナノエンレイソウ、モウセンゴケ、キバナノアツモノソウの群生も見られた。
6日目、9時バチェカズエッツ山(1,556m)へ12名で出発、林道?を1時間程歩くと、きれいな池に出た、ここにもキャンプサイトがあり、4輪駆動車やテントが見られる。この池から流れ出る川を渡るのだが、増水していて我々では股まで水に浸かりそうだ。それを考え長身のガイドは膝上までの長靴を履いていて、我々をおんぶして川を渡してくれた。
頂上は霧で見えず後どのくらい登るのか、よく分からず、ただ黙々と歩くのもつらい、途中距離の近いコースは登りにくいとの判断で、雪渓の多いコースを登ることにする。稜線直下は勾配のある雪渓だったが、全員稜線1,300m付近まで登り、遅めの昼食をとる。その後、1時間弱直登して、15時32分無事全員頂上に着くことが出来た。霧が出ていて、遠くの景色は見えないが、それぞれ記念写真などを撮って30分ほど休んで下山にかかった。このコースもガレ場で慎重に歩かないと滑りやすく、落石を起しやすい。登りコースに選らばなかった理由が分かった。20時やっとキャンプ地に帰り着く。今日も11時間の行動時間であった。テントに入った途端に雨が降り出し、行動中に降らなかったのを喜んだ。この雨は翌日の出発時間まで降り続いていた。自分のテントは雨漏りがあったり、浸水したりでチョッと大変だった。
7日目、雨が続いている。雨と蚊の中の青空トイレは大変だった。食事後テント内の荷物を片付け10時、雨の中ガイドに見送られて、6輪駆動車で帰途に着いた。
ビーストラヤ川のボート乗り場で昼食、ここは蚊の巣窟のような所で外ではじっとして居れないのに、ボートが遅れたため。外で待たされる羽目になった。幸い雨が止んで助かったが・・・。ボートには5人づつ乗る。3艘のボートでゆっくり流に乗って釣竿を投げる、岩魚や鱒が釣れるというが、初心者に釣れるのか・・・との思いだった。が、我がボートの初心者Mさんが、指導されたように何回も投げ直さずに、ただ流すようにしていたが岩魚を見事に釣り上げた。日本の物と違って40cm位はあった。ただ直ぐにリリースしなければならず、ゆっくり写真も撮れないのが残念だった。
帰りはみやげ物屋とスーパーに寄ってもらって、みやげ物を求めるが、思ったようなものがなく、寂しいお土産になった。まだ観光地としては、充分開発されず、その素朴さがいいのでもあるが・・・。
ホテルでは久し振りのシャワーで、カムチャッカでの1週間の汚れをさっぱり落とすことが出来た。
8日目、5時半に朝食をとり7時過ぎには空港に入る。9時30分やっと搭乗して帰途に着いた。3時間半の飛行だが、時差が有るので成田の到着時間は10時30分、乗り継ぎ時間もあって、もう一度、うどん屋で昼食を取った。久し振りの日本のうどんはヤッパリうまかった。台風が四国沖に来ていたが、福岡には無事17時過ぎに着くことが出来た。 (澤田眞次 記)
【写真撮影:澤田眞次】
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