オオキツネノカミソリ観賞
井原山は福岡県西部と佐賀県県境を形成する背振山地の主峰背振山に次ぐ第二の高峰。典型的な断層山地で、佐賀県側に比べて福岡県側は急崖となっている。室見側源流の野河内渓谷、瑞梅寺ダムに注ぐダルメキ谷、洗谷など、多くの滝や渓谷をもち、素晴らしい景観を保っている。
(メンバー)
松九会登山クラブ:藤井哲夫、澤田眞次、原田和夫
まいづる山岳会 :中村正義、大宅道雄、小金丸和夫、児玉かめ子、澤田律
(コースタイム)
=8:18井原山バス停P8:35=水無登山口駐車場P8:55…9:28ベンチ(休憩)…10:00水場(休憩)…10:30稜線…10;40井原山(昼食)11:10…12:00水無分岐…12:40水無鍾乳洞…水無登山口P=井原山バス停P=前原・はまぼう夢のさと=二丈温泉きららの湯
井原山バス停で待ち合わせの間に、登山者を乗せたタクシーが2台通過していく。奇徳橋周辺の路上にも林道途中の路肩にも多くの車が駐車。水無登山口へ着くと駐車場はもう満杯状態であるがなんとか駐車できた。
登山道にはいるとすぐにオオキツネノカミソリが花を開き迎えてくれ、今を盛りと咲いているのもあれば、少し色あせかけたものもあるが、だんだん上部へ登っていくと大半は青白い茎に蕾を付けたばかりの、まだまだこれからといったものが多い。渓谷の流れも多く涼しげであるが、風が入らず暑くて汗が滴り落ちる。途中2度ほど休憩し水分補給し、最後の水場で一息入れ、杉の植林地の急坂からブナ林へのキツイ登りを経て稜線へ出ると、爽やかな風が吹きつけてくる。炎天下の灼熱の尾根歩きを予想していたのに、気持ちが良くありがたい。
山頂にはたくさんの人が座して休みをとっている。木陰はないが涼しいので、我々も早めの弁当を開く。帰路は雷山方面へ少し下り瑞梅寺分岐を右へ入り、コバノミツバツツジやヤマボウシ、ブナ、カエデなどの緑滴る快適な尾根歩きを楽しみながら下っていると、前方から沢山の人が登ってきた。離合で傍らによけていると、中程に居た人が声をかけてきた。よく見ると安楽さんだ!「今日は大宅さんは来てるね?」「後ろにいますよ…」「会費を払おう…」となって、山の中での会費入金となった。
さらに下って行くと右手に「アンの滝へ」の立派な道標、そのすぐ先に小さな板の道標(水無分岐)があり、右への細い道へ入る。わずかに踏み跡は付いているがあまり人が通っていないようで、2〜3ヵ所木の葉に埋もれたところがある。ヤブツバキの並ぶ狭い尾根が続き、右下の渓谷からは人声が響いてきて、登りに使った登山路のすぐ上の道だとわかる。杉の植林帯に出ると間もなく分岐で右へ、少し下ってベンチのある鞍部を通り、右に足場の悪い斜面を下って水無ルートに合流する。《ここには大きな案内板が立てられていて、作成者は本日参加の小金丸和夫さん(まいづる会友)で前原市の山域ボランティアとして登山道の整備やルート標識などの設置などで活動中。》間もなく“こうぞう岩”と言われるフクロウの顔に似た石灰岩の巨岩の下から、こんこんと清水が湧き出ている“水無の湧水”で喉を潤し、ペットボトルに注ぎ、折角だからと鍾乳洞に寄る。鍾乳洞の横には数人が涼みをとっているが、我々も洞前に立って吹き出してくる冷気を浴びる。しばらく居ると涼しさを通り越して寒くなってくるくらい冷え、まさに天然のクーラーだ!。順番待ちの人たちと交替して、キツネノカミソリの次は“ハマボウ”の花見物にと、前原市の泉川へ回り、二丈温泉きららの湯でサッパリ汗を流して帰る。 (藤井哲夫 記)
【写真撮影:原田和夫】
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