花牟礼山は大分県由布市庄内町阿蘇野にある山で、九重火山群の東端にある。山麓から頂上への登山路は初夏に咲く草花が多く、山名の謂われに関係しているのかと思う。※文末に解説
JR大野城駅西口午前8:00集合、12人参加。車3台で九重方面に向かう。筑紫野I.Cで高速に乗り九重I.Cで降りる。九酔渓を通り男池の側を通って展望茶屋の交差点を左折し、トンネルを潜り中村で牧場道に入り阿蘇野には10時過ぎに着いた。牧場の牛が放牧されているすぐ側に車を停め登山準備をしていると、たくさんの真っ黒い牛がいて、何が来たか?と数頭が近寄ってくる。車に寄りボンネットに顎を乗せたり、タイヤを見たりするが、案外おとなしそうで安心した。
10時半頃出発。しばらく歩くとアラゲハンゴンソウがたくさん咲いている。ヒオウギもチラホラ見られ、可愛いカワラナデシコも咲いている。牧場道終点広場の上の林道分岐で最初の休憩。澤田律さんが凍ったスイカを振る舞ってくれた。冷たくて甘く、水分も多く生き返るようだった。
また歩き始めると、いろんな花々と出会う。アソノコギリソウ、オトギリソウ、クサアジサイ、ホソバシュロソウ、シモツケソウ、チダケサシ、コマツナギ等々。
私は4ヶ月ぶりの登山でバテてしまった。皆について行けない…何度も足を投げ出して休む。やっと展望台に着くとみんな待っていてくれた。そこにはヒゴタイ、キバナカワラマツバ、カワラマツバが咲いていた。足を痛めた中馬一枝さんはこの辺りで花の散策、私は頂上を目指すが、また段々と引き離される。何度も立ち止まるが可憐な野草が心を和ませてくれる。オミナエシ、ワレモコウ、サイヨウシャジンに励まされながら頂上を目指す。
頂上に着いたらみんな弁当を食べていた。山頂での記念撮影はもう撮ったと言う。残念。日陰に入り弁当を食べようとするが食欲がない。簡単な携帯食で済ませた。山頂付近は可愛いママコナの花がいっぱい咲いていた。
午後1時半頃下山開始。途中、ホタルブクロも咲いていた。また私は一番ビリになりトボトボと歩いていく。登山口近くのセメント道を歩いていると岸田さんの車が登ってきた。迎えに来てくれたのだ…、助かった。
みんな車に乗り込み出発した途端、前の車が停車し、何やら写真を撮っている。降りてみるとキツネノカミソリの花や、真っ赤な小さなバナナ状に下がったツチアケビの実があった。急ぎ写真を撮り、白水鉱泉に寄った後、温泉へ。やまなみ牧場の「まきばの温泉館」で汗を流す。
帰る途中、九重“夢大吊り橋”に寄って写真を撮る。今度は全員写真に納まった。(原田和夫 記 (藤井哲夫編集))
※花牟礼山:ムレは古代朝鮮語のマルから転じた言葉で、山を指している。牟礼はまた群、埋にも転じ、花牟礼山の付近に熊群山があり、玖珠に角埋山がある。また、山のことを朝鮮語でムレ(牟礼)という事は金沢氏の日鮮同祖論にも記されている。これは豊後に多く花牟礼、騎牟礼、角牟礼、熊牟礼等で多くは城跡になっているのが特徴である。薩摩にも木牟礼というのがある。という説がある。
…「九州の山と高原」折元秀穂著より…
※ヒゴタイ:肥後躰・平江帯、キク科で100〜150cmの多年草(満鮮系植物)。阿蘇ではルリ玉と呼ばれている。特徴は青紫色系の球形花序、葉の裏面に白色の綿毛(柔らかく曲がっていて綿のような感じの毛)がある。
…「九州の野の花」佐藤武之著より…(藤井)
参加者
松九会登山クラブ : 藤井哲夫・和子夫妻、澤田眞次・律夫妻、宮脇彪、原田和夫、小金丸和夫
福岡まいづる山岳会 : 岸田武雄、中馬薫人・一枝夫妻、大宅道雄、友清節子
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写真・(ha)-原田和夫、(sa)-澤田眞次 】
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