登山クラブへ

 

十種ヶ峰  (トクサガミネ 988.8m) <山口・阿東>   2014年5月6日(火)(祭振替)晴れ 貸切バス


 
〔メンバー〕宮脇、信岡、澤田、澤田゜、平原、林゜、藤岡゜、藤井、
                     (石内゜小野、藤、藤゜、野田、徳永゜、榊゜、宮内、左座゜)=17名

  久しぶりに関門(門司~下関)を渡って山口へ。中国道山口ICから国道262~9~315号線と繋ぎ、前方の山並みにひと際目立つ三角形の尖った山が目に入った。これが本日の目的の十種ヶ峰で《山口のマッターホルンとか、長門冨士(ナガトフジ)》とよばれる山である。

  登山口の神角(コウヅノ)八幡宮には地元のボランティアの方が、駐車場への案内や交通整理などしてくれる。ゴールデンウイークの最終日だが、お目当てのヤマシャクヤクの開花時期とあって、神社の駐車スペースには数十台でもう満車(自家用車駐車料300円)。先ずは神社にお賽銭を入れ参拝、トイレは大小1つで暫く並んだが、これも地元の人による出資で造営、「お賽銭をお宮に上げてからご利用ください」との趣旨が書かれていた。

 神社の右手から簡易舗装の道を進みすぐに三差路に、左へ数分でイノシシ避けのゲートに出た。ゲート前の右手に古い祠があり、大きなヤブツバキの幹の下部に彫り込まれた「お地蔵さま:生木(イキキ)地蔵」に手を合わせゲートを抜ける。スギ林や橋を渡り左に砂防堤を見て進み、かなり急な登りを続け頭上の開けた登山道に出た。視線の先に薄紫色の小さな花がいくつか並んでいる。近寄るとそれは〈ラショウモンカズラ:羅生門蔓/葛〉だった!。花の形や色、名前などは山や花の本などで知っていたが、実物にお目にかかったのは初めてで(九州脊梁山系の国見山で1輪だけ見たことがある?)、しかもここには群落をなしているのには感激だった。

 涸れた沢のガレ場を登るが、傾斜は急で短いながらも岩場もあり手足を使って攀じ登る。
やがて沢から分れ、右のステップへ上がると1輪、2輪~10輪程の白い花が目に入る。そうヤマシャクヤクだ!。だがここはまだ序の口で少し先の左右にロープが張られている。ロープがあると云うことは、ヤマシャクヤクの群落が近いと云うことで、中に入り込んで踏み荒らさないよう保護されている区域なのだ。ところがこの区域は登山道の両側に延々と続き、見事な群落をなしている。緑濃くなったブナの森の下に広がる、ヤマシャクヤクのお花畑。ふんわりと柔らかい丸みを帯びた純白の花びらが、何とも愛らしく心なごませてくれる。開いたばかりの若い花は、やや薄いレモンイエローで、これも可愛い。カメラタイムで皆撮影に余念がない。ただ九州山地のものよりやや小ぶりだ。

 花を楽しんだ後山頂への道へ、ガレ場の急登からきつい階段の直登を登り切り、稜線に
出て左へ。進んでいくうち間もなくチマキザサの中に濃い赤紫のイカリソウの花を見つけた。船舶の錨に似た形をしているが、九州で見る白いヒゴイカリソウとは違った印象だ。

 左右とも高い樹木がない開けたヤセ尾根に出て慎重に足を運ぶ。風が強いとこわい!…
やがて一等三角点の山頂に着く。三角峰に見えた山頂は、草原風の広々としたもので、先着の人々が昼食を済まし休息中。我々も足を投げ出して遅めの昼食タイムとするが、頭上に小さな飛行機が飛んでいる?、よく見るとグライダーで、風を切る音がして山上を旋回していて、エンジン音はしないがリモコンでコントロールされている。食事を済まして立ち上がると、何だか歓声が上がり、目をやると今度はハングライダーが飛び立った!ふわりふわりと高度を上げたり旋回したり、気持ちよさそうだが、よくもまあー担ぎあげてきたもんだ。グライダーを見ると翼は2mぐらいありそうだった。

  広場の中央には方位盤があり360度の展望の山々や地域が図示されている。眼下の神角方面を見下ろすと、神社や駐車場などが見えた。登山口には“ヤマシャクヤクのシーズン中は一方通行で”とあったので、登ってきた方向とは反対への道を下山する。登ってきた道は急こう配が多くて岩ゴロもありきつかったが、今度は一転して道幅も広く、柔らかい感じの気分が良い道で、広々としたチマキザサの台地(肩の広場という)へ出て、間もなく新しい石の鳥居をくぐり、その先の〈神角〉標識から左へ入りずんずん下るが、ジグザグ道の緩やかなだけに長く感じて、一向に高度が下がらない。それでも山麓が近づくとスギやヒノキの植林地が多くなり、小沢を渡ってイノシシ避けのゲートを通り、間もなく車道に出て迎えのバスに着いた。

  今日は終日よい天気。近くの田んぼではゲロッゲロッ、久しぶりにカエルの啼き声を聞いた。

※十種ヶ峰のヤマシャクヤクの群落は、2011年に市の予算が付き、地元の有志の手によって登山道が整備された。目的は群生地を保護するため。地元では以前からひっそり知られていたそうだが、インターネットで情報が流れるようになって登山者が増え、なんとかしなければ荒れてしまう、と云うことから…とか。
 だが、今回登ってから感じたことは、ロープでしっかり保護されているが、両側に数多くのヤマシャクヤクがあり、その群落の中を登山道が開かれている。道幅1.5mくらいと、花が続いたあの距離で考えると、登山者のために相当な花が犠牲になったのでは?と思った。      報告 藤井哲夫


                                              【写真撮影:Hは平原さん撮影 他は澤田】

花文字で迎えてくれました コースの案内
登り口の神門八幡宮にお参りする 準備体操をして
スタートは林道です あちらこちらに藤の花が
いよいよ山道です 沢の登りになります
ヤマシャクヤクが出てきました 群生地はまだ上です
群生地です、しっかりカメラに収めます 見事な群生1 H
見事な群生2
花を眺めながら H 群生地の真ん中の道を登る
たくましき6人 H 珍しい紫のイカリソウです
頂上を目指して H 間もなく頂上です
ミツバツツジも見られます 頂上で弁当です
記念写真
パラグライダーを楽しむ人も
クマザサの中を下山です 山の中に立派な鳥居が
桧林の中を下ります 下では田植えが終わっていました H

登山クラブへ