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三俣山:西峰(ミマタヤマ1678)…W峰…南峰(1743)…大鍋・小鍋鞍部   〈大分・九重〉  2013年10月22日(火)

(メンバー)西、藤井、林゜、信岡、浜地、庄嶋、藤岡゜、大宅、澤田、澤田゜、元木・大分から
             (石内゜、藤、池田、友清゜、児玉゜、徳永゜、佐座゜、杉゜)

 九重山群の中で鮮やかな錦秋の紅葉が堪能できるのは@大船山、A三俣山、B星生山周辺だろう。大船山は法華院温泉山荘に1泊すれば十分楽しめるが、日帰りとなるとスガモリ越・法華院・坊がつるを経ての登りとなり、距離も時間もややきつい。

 三俣山だと、一旦西峰に取り付きぐるりと尾根を周遊しながら、多少のアッペンダウンを繰り返しながら、爆裂火口壁の大鍋・小鍋のドウダンツツジの真っ赤に燃える錦繍を満喫することが出来る。と言うことで三俣山へ。

  長者原で大分から参加の元木さんと合流し大曲登山口へ。駐車場は10台程度でもう満車、近くの道路脇には何台か駐車している。バスを降りて登山口標識から入り、登山届ボックスに届を記入して、その先の堰堤の梯子を登って護岸された谷を渡り、コンクリート舗装のヒビ割れた硫黄山林道(鉱山ロード)へ出て、長者原分岐を左に見て砂防堤を渡る。昔はこの対岸の荒涼とした砂礫と岩ゴロの道が、長者原からスガモリ越(諏峨守越)までの登山路であった。今の鉱山ロードは、硫黄の採掘・精錬の硫黄鉱業所への運搬路で、登山者の通行は禁止であった。硫黄は純度99.9%と言われた。

  ゴロ岩が続く登路を左に右に足を運びスガモリ越の休憩所に着く。以前は売店を兼ねた石室の避難小屋があったが、平成7(1995)年10月8日午前?、硫黄山が257年ぶりの噴火活動により、その後閉鎖された。ここにかけられている鐘は“愛の鐘”と呼ばれ、昭和37年1月北千里浜で男女7人の遭難者が出た後、登山者たちが濃いガスの中でも方向を失わないよう、久留米の倉田 厚さんと言う方の寄贈。
スガモリ越で一休みして、急な登りの膝下まで覆った笹の中をジグザグに進み、時折り足元の美しい紫色のリンドウの可憐な花姿に疲れを癒されながら、三俣山西峰に着く。天候は抜群!今登ってきた目の前に真っ白な噴煙を出す硫黄山、風もなく真っ直ぐに立ち昇っている。その背後に星生崎から右へ連なる星生山、左の主峰・久住山、手前に天狗ヶ城から九州本土最高峰の中岳、その後ろに白口岳、さらに左へ紅葉に染まった大船山が構え、北大船、平治岳へと続く。九重でこんな晴天は初めてだ!

  正に蒼穹に映える九重連山、真っ青な天空の下で暖かいひと時を過ごす。今日のこの太陽の恵みは九重だけか?。寝観音の阿蘇五岳、祖母山、傾山、双耳峰の由布岳(豊後富士)、秀麗な山容の涌蓋山(玖珠富士)など、雲に遮られて残念ながら望めない。

 昼食を終えてこれからが本番!進路を北に取りネザサの中の踏みわけを辿り、W峰下から南峰方向へ下っては登りを繰り返し、南峰の色づいた紅葉をカメラに収めながら進むが、稜線からガスが漂って天候が怪しくなってきた。そそり立った南峰の登りを諦め、鞍部左の踏みわけへ入り火口壁の大鍋・小鍋を染め上げる綾錦を見下ろす。

  それぞれにカメラを構えるが、太陽の光がガスに閉ざされ明るくならない。右の方から次第にガスが流され光が照らすが、大鍋にはなかなか入ってこない。暫くカメラのシャッターを切っていたが、時間も迫り往路を戻り下山。16:00丁度大曲に到着する。

 数日後、大船山の美しい錦秋の写真がTV放映された。季節を読むのは難しい!               記録 藤井哲夫

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続けて、硫黄山の257年ぶりの噴火活動の《第一発見者》について記載します。
知られざる事実 第一発見者!?だったかも…登っていればこそ、こんなことにも遭遇

 平成7(1995)年10月8日11時頃、私たち一行13名は星生山から星生崎への尾根の下りで、すっぽりと山を包みこんだ素晴らしい雲海に出逢った。遠くに由布岳の双耳峰、眼の前にどっしりとした三俣山が雲の上に浮かぶ……。ところが眼の下の雲海を突きぬけてモクモクと、真っ白い大きな噴気が盛り上がって来る。硫黄山の噴気で「いつもより多くて大きいネエー」と云いながら……山の朝は気温が低いので、熱した水蒸気(噴気)が雲海(霧)を巻き上げているのだろう…と、素人考えで思って、写真だけは写して(同行の柴田恭輔さん撮影)通過した。

 帰って11日夕に(大分地方気象台)硫黄山噴火の確認がされ、12日夕にニュースが報道された。私たちは新しい噴気を見てまた増えたな、と思う程度で、この数年増加傾向の(勢いを増している)見なれている噴気に、特別な感慨(257年ぶりの噴火とは…)は思いもしなかった。今驚いている。

(平成7年10月7日〜8日福岡まいづる山岳会創立40周年記念登山報告書より)
(登山メンバー)藤井哲夫・和子夫妻、太田洋通、大宅道雄、柴田恭輔、佐藤直之、
まいづる山岳会:笹田有功、野村澄子、石内美佐子、長能康子、伊飼順子、奥村康治・奥村暉子夫妻

【写真撮影:澤田眞次】

大曲で登山準備

ここから登山開始です

落石危険地帯を急ぐ

ここから左の沢を渡る

すがもり越への登りです

すがもり越に着きました

いよいよ三俣山の登りです

北千里ヶ浜を下に見て

三俣山西峰はすぐ上です

大船山も紅葉しています

チラホラとリンドウが見られました

西峰頂上で昼食です

記念撮影
大鍋のビューポイントを目指します 南峰の紅葉
南峰の紅葉を写す 大鍋の紅葉1
 

大鍋の紅葉2

大鍋の紅葉に酔いしれて 名残尽きないが下山です
すがもり越を目指して すがもり越まで下りてきました
ガレ場を下る 大曲まで帰ってきました

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