(メンバー)
松九会登山クラブ :藤井哲夫・和子夫妻、宮脇彪、信岡雄蔵、原田和夫、大宅道雄
福岡まいづる山岳会
:中村正義、井上孝、石内美佐子、澤田律
(コースタイム)
湯布院I.C=雨乞牧場登山口P9:40…9:48倉木山登山入口…9:51急坂/山腹コース分岐…10:20(小休止)…11:00倉木山山頂11:10…城ヶ岳縦走路…カヤ群生…檜植林…落葉松植林…12:15林道終点(昼食)12:35…林道下山…東倉木集材路ゲート…14:20登山口P=温泉
9月に計画していたが生憎の雨天で中止。10月末のくじゅう登山までには間が空きすぎるので、どこかにトレーニング歩きでもと近場の候補地をいくつか選んでみたが、折角なら中止で登れなかった倉木山がよかろうと、急きょ倉木山とくじゅう参加申込み者へ連絡。
由布岳を左に見て狭霧台の展望所を過ぎ、右へ雨乞牧場への急な林道の坂道を走る。眼下に湯布院の町並みが展開する。登山口手前の広場に1台の車、その横に駐車する。(4〜5台可)林道を少し進んだ右下に[仮登山口]の小さな標識を右折、ヤマラッキョウがあちこちに赤紫の小さな花をつけている。行き止まりに車が1台、その右に[倉木山登山入口]の標識があり間もなく[左・急直登/右・山腹回り]の標識、ためらわず楽な山腹コースへ入る。登山路にはレイジンソウ(伶人草)やジンジソウ(人字草)などが咲き、自然林をジグザグに登って行く。
樹木の切れ間から由布岳や湯布院盆地を眺め、次第に高度を上げて行くと樹林もなくなりススキの原に出ると足もとにウメバチソウ(梅鉢草)が清楚な花をつけている。左に回り込むように草の急斜地を登ると、もうないだろうと思っていたうす紫のマツムシソウ(松虫草)やハバヤマボクチ(葉場山火口)が咲いていて、間もなく岩の頂上に着く。
頂上は360度の展望で由布岳の双耳峰を眼前に、鶴見連山、城ヶ岳、九重山群などがぐるっと眺められ、この山の魅力は何といっても由布岳と、その前に控えた飯盛ヶ城を間近に配し、四季折々の景色が眺められ、写真よし、絵画よしといった風情である。
先着の登山者から“これからどちらへ”との問いに“城ヶ岳へ…”“その後の下り道は?…林道でもあるのですか?”“いや、またここへ戻ってきて、急登コースを降りる予定です”と答えると“ついて行きたいけど、ここへ戻るのなら…”と尻込みされた。先へ下り[城ヶ岳]の小さな標識に導かれ踏み跡を辿るが、だんだんと背丈を越えるススキノ原となり、右は杉の植林地で枝が張って踏みこめない。しかも急勾配の真っ直ぐな降りが延々と続き、ところどころにやっかいなクマイチゴの「イバラ」が延び出て進みにくくなる。ザックに準備してきた「スキー皮手袋・剪定ハサミ」を出し急場を凌ぎながらグングン下降、飛び散るススキの穂が汗ばんだ顔にくっつく。途中には全くリボンテープも標識もなく、わずかな足もとの踏み跡頼りで鞍部らしきところへ着いて、左の植林地へ入るとかすかに踏み跡があり、伝っていくがすぐになくなってしまった。
周囲を見回して左先方に小さく赤テープが見えたので、小枝をくぐり抜けながら進むと、今までとは一変した、緑の短い草が苔のように生えたきれいな広場に出た。林道の終点のようだが、車の轍の跡もなく、あまり人も入ってきたような形跡も見当たらない。登山路を捜しに林道伝いに少し下って見るがそれらしき道は見当たらなく、昼の時間も過ぎたので引き返して林道終点で、後半の登山に備え腹ごしらえをする。
食後、井上さんや中村さんらが登路を捜しに落葉松林に入ったが無く、またガイドブックのコピーを見直したが、明確な答えは見つからない!。先ほど降ってきたススキの急坂を登り返すには、あまりにも無謀?と、やむなく林道を下ることにして左右に目を配り、登山路がないか確かめながら歩いたが、林業路標識以外にそれらしきものはなく、東倉木集材路ゲートを通って延々6kmほどの林道を歩く。道端には数本の真っ白で大振りのサラシナショウマ(晒菜升麻)を見て登山路の駐車場に戻った。背後の木々の中に熟れて割れかけたアケビの実があり頂戴する。
湯布院の町へ戻り、温泉・庄屋の館「コバルトブルーの湯」に浸かって疲れを癒し帰路につく。
砥石山に続きまたまた課題を抱えた山行きとなった。 (藤井哲夫 記)
【写真撮影:原田和夫】
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