次郎丸嶽、太郎丸嶽は天草上島北東部、上天草市松島町にある山で山頂一帯は白岳砂岩からなり、岩峰からの展望は天草松島、倉岳、龍ヶ岳、老岳、白嶽、有明海、雲仙、不知火海(八代海)、九州脊梁山地ととても雄大である。
(メンバー)
松九会登山クラブ : 藤井哲夫、藤尾明、信岡雄蔵、佐藤直之、西川光明、原田和夫、
小金丸和夫、(加藤敏明)
福岡まいづる山岳会:井上孝、石内美佐子、児玉かめ子、友清節子、藤井和子、澤田律
(コースタイム)
筑紫野IC6:55=7:48北熊本SA8:05=8:18御船IC=R266三角町=天草五橋=9:51今泉・市営P10:05…10:46遠見平・太郎丸嶽分岐…11:25見晴岩11:35=11:40次郎丸嶽山頂(展望休憩・昼食)12:35…12:58太郎丸嶽分岐…太郎丸嶽山頂13:55…太郎丸嶽分岐…15:00登山口P=大矢野島 スパ・タラソ天草=
3年越しの天草の山にやっと登れた。高速御船ICを出てR266を南下、八代海を左に見ながら天草五橋を渡りR324へ右折し、今泉の三差路(九州百名山…の看板あり)を左折してすぐに“市営無料駐車場”があり、案内板に太郎丸/次郎丸の山の謂れが書いてある。この駐車場を起点として西辺の集落(角々に登山路案内標識が立てられて親切)を通り、落ち葉で埋まったコンクリ舗装農道が切れて山道へ入る。溝状にえぐれた風化砂岩の急登を進み、谷筋に竹樋を差した水場(長寿の湧水という水場らしい)があるが、このところの雨不足で一滴ポトリ…の枯れた状態である。
程なく遠見平に出て、すぐ上部が太郎丸分かれ(右へ)で、左直進が次郎丸嶽方向で緩くなった尾根を行くと“いなづま返し”に出る。左側が少し開けた頭上に、山頂直下の大岩が突き出た断崖絶壁が迫ってくる。さらに段状の急登を登り切ると、すぐ目の前にドーム状の巨大な岩塊が立ち塞がっている。“見晴岩”と名がつく半円状の大岩には、上から太いロープが下げられ、伝って容易に登れるが、ザラッとした岩肌はフリクションがよく効き、ロープなしでも登下降出来る。
登りきって真上に立ち振り返れば!大展望が開けている。天草松島の島々から有明海、雲仙岳も浮かんで見える。しばらく雄大な眺めを満喫し山頂へ向かう。すぐに弥勒菩薩を祀った祠に手を合わせ、巨石が重なり合った次郎丸嶽山頂に着いた。天草最高峰の倉岳、龍ヶ岳、白嶽、鋸嶽など観海アルプスの山々をはじめ、八代海に浮かぶ小島、漁船の航跡も美しい眺めだ。
山頂には立派な方位盤が設置されているが、中途半端な絵図で理解しがたい。山頂周囲は絶壁となり、すぐ北側に突き出ている巨大な岩塊は、亀の顔に似て“亀次郎岩”といわれ、その背か頭?の上に立つと足が竦(すく)みそう!だが、岩がしっかりしていて、怖いながらも?皆かわるがわる「お立ち台」に上がってポーズ!写真に納まる。
昼食の後、太郎丸分岐への急坂を下って戻り、灌木帯や海岸性の低木の稜線を登り返し、大きな砂岩のピークを2つ3つほど越えて岩上の太郎丸嶽山頂へ着く。目の先に岩峰を連ねた千元森嶽がどっしりと構えている。快晴の天気でこの秋一番の暑さか?秋風も吹かない稜線と山頂!今日もまた暑さとの闘いだった。
観海アルプスと称される天草上島の東海岸の山々は、500mを越えない低山ではあるが、それぞれに大きな岩塊が連なり、その山容は特異な雰囲気を見せ、さらに登山欲を募らせる。つつじ咲く春か、白い岩と紅葉のコントラストが眩しい秋の日にまた訪れたい。 (藤井哲夫 記)
【写真撮影:原田和夫】
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